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夜のコンビニ。

缶ビールとカップ麺を買って、誰とも言葉を交わさずに帰る道すがら。

急に胸のあたりが、スッと冷たくなるような感覚がくる。

スマホを開いても、特に連絡はない。

SNSを見れば、誰かが楽しそうに笑っている。

その“誰か”に、自分がなれなかった理由を、なんとなく探してしまう。

そんな夜、ふと「知らない誰かに会いたい」と思うことがある。

気を遣わずに、名前も知られずに、ただ少しのあたたかさを分けてもらえるような。

たとえば、それがほんの数十分の時間だったとしても。

きっとあの感情は、欲望というより、

「大丈夫だよ」と言ってくれる誰かを求めていたんだと思う。

理屈じゃなくて、ただ存在を受け入れてもらえるような時間。

人って、元気なときは平気でひとりでいられるけど、

自分のことを好きになれない夜は、少しのやさしさに救われたくなる。

あの感情の正体は、きっと「さみしさ」じゃなくて、

自分を置いてけぼりにしてきた心が、そっと声を上げてただけなのかもしれない。

まどか